これから事業を始める方は期待と不安でいっぱいだと思います。
私もそうでした。
サラリーマンを辞め、先がどうなるかやってみなければわからない事業を始めるのは精神的にも、肉体的にもつらいものがあります。
そのような事業主の方の会計・税務についての不安をすこしでも取り除くことができれば、と考えています。
新聞で、企業の際にはまず個人事業から始める人が多い、という内容の記事を読みました。
正解だと思います。
廃業率、という数字も調べればすぐ出てきますので、もしものことを考えると面倒なことを少しでも少なくするという意味でも個人事業から始めることはいいと思います。
起業で一番避けたいのは、お金が無くなることです。これに関係してリスクを減らすには、在庫を持たない、固定費を少なくする、ということは大きいと思います。
在庫を持たない、というのはお金の支出を減らす、ということと同じです。在庫は仕入れたものが売れていない状態で残っていることなので、投資の回収ができていない状態ということです。事業は投資をしてそれを超える回収をしなければ続きません。できれば投資は後回しでお金の回収の約束をしてから仕入れる(受注生産もこのひとつですが)のがベストですがいつもそううまくいくとは限りません。サンプルも必要な場合があります。この在庫をできるだけ減らす知恵を絞ってください。
固定費は、大きなものでは家賃です。事業を開始するからと事務所を早くから借りるのは、大きな固定費がかかります。その分他のことにお金が回せなくなります。できれば自宅で始めて、目途が付いたら事務所などを借りるのがいいと思います。
会社を作るとなると何から準備すればいいのか、という話になります。
それは会社を作って行う仕事やお金では、というのではなくその前の話です。
仕事もある、お金も会社を作るくらいは準備できている、その前に会社を作るためには、という内容です。
すごく実務的ですが、まず決めるのは
です。会社の名前は登記書類を法務局に持って行った後に類似商号で、この会社名ではダメです、と言われることがありますので事前に調べておくといいと思います。
法務局に行って調べることもできますが、「法人番号公表サイト」で調べてみるのも一つの手です。こんなに似たような会社名があるんだ、と驚くことになるかもしれません。
また次のものを作るためにも必要になります。
その次が
です。作るには作成を依頼する先にもよりますが、早くても1週間はかかります。
あとは住所をどこにするのか、個人の印鑑証明、資本金用のお金の・・・とありますが時間もかからないですし、あるものを取りに行く、ということになると思います。
名前や印鑑にこだわる方は早めに考えておいた方がいいと思います。
起業の際注意が必要な税目は法人税でも所得税でもありません。
消費税です。
経費が先行する会社、設備投資が先行する会社、輸入を行う会社は特に注意が必要です。
通常は2年間は消費税は払わなくていい、ということが言われますが、前記のような会社は初年度で消費税の還付を受けることができるかもしれません。
その場合3年間の収支計画を作ってみてください。それで判断して消費税を最初から納税する会社にした方がいいのか、2年間は消費税の申告をしなくていいのかを判断してください。
納付する消費税 < 還付される消費税 ならば消費税の申告を始めから行った方がいい
ということになります。
1回目の申告の際に税理士に相談しよう、では手遅れです。
前に書いたことと矛盾する内容ですが、準備のやり過ぎにも注意が必要です。
例えばこれは必要、あれは必要と必要そうな物を買いこむことがあります。
ものを買う(消費)という行為は確かに楽しい面がありますが、どうしても必要ないものも買いがちです。買ったのはいいが数年たっても使用していない、というものが出てくることがよくあります。
特に事業については消費行為ではなく、投資行為としてお金の支出を考えるべきです。
それは本当に必要なのか、投資を回収するために必要なものなのかをよく吟味する必要があります。
自己満足のための消費行為は、役員報酬の中から支出する(経費になりません)ことを心がける必要があります。
会社を始めると、まずは売り上げを上げることが最初になります。
最初は会計をしなくても目の前にある現金、預金を使っていればいいのですがその内いろいろと不都合が出てきます。会計に関するところで考えてみると、
などなど悩みは尽きません。
これらを一人で解決できればいいのですが、今までの記録をしていないので簡単にはいきません。
今までの経験からして、会計ソフトを使って初めから経理をしながら会社を経営している方は見たことがありません。
人間と同じで、会計も積み重ねていけば貴重な判断材料になりますし、それがなければなぜそうなるのかわからない、ということも多くあります。
もちろん会計だけ全て解決するものではないことは当然です。
しかし、お金が残っていれば考えるゆとりが出てきます。
お金を残すためにはどうしたらいいのか、ギリギリまで経営者の方と一緒に考えていきたいと思います。
事業を始めるにあたり事業本体の準備が忙しく、会社を設立したものの、各種届出を忘れているあるいは、やろうと思っていてもなかなか手が付けられないでいる方も多くいらっしゃると思います。どちらかというと、この例に当てはまる方が多いと思われます。
会社を設立しても誰かが手助けをしてくれるものでもありませんし、秘書がいて何かをやってくれるものでもありません。何年も会社の申告等は放置で、事業だけは続けていた、という例もよくあります。
申告のこと、届け出のこと、なんでもかまいませんので何かお忘れの際はお手伝いできると思います。思い立ったらご一報ください。
始める事業が副業として行えるならば、まずは副業として行うことも一つの手です。
ネット関連の事業などは特に副業がやりやすい環境にあると言えます。
脱サラを考えている方は、副業から始めて損益がトントンになり出したら退職を考えるのも一つの手です。
本格的にその仕事で食べて行くためには二つの仕事を掛け持ちというのは難しいと思われます。
頭の中で考えていることを小さく行ってみて、実現可能性を模索するというのも一つの方法です。
本腰を入れるのはそれからでも遅くはないと思います。
事業を始める際には何から準備する必要があるのでしょうか。
家族がいれば家族の同意、事業計画、事業資金の準備、当面の生活費の準備、等々さまざまなことが挙げられます。どれが一番最初か、と聞かれれば家族がいれば影響を受ける家族への同意が一番でしょう。
あとはどれも同時に進行していく必要があります。
事業を始めるのですからどういう事業を始めるのかは当然はっきりと見えていると思います。それを主題として事業計画を組み立てていきます。事業計画は何から手をつけるかといえば、自分なりにできる、という方はその方法で作成してみることをお勧めします。特にわからないというのであれば、まず売上目標を作ることからです。この売り上げは事業に必要な費用から逆算し、自分の報酬や従業員への給与も加味して目標値を出していくこととなります。
事業資金は、売り上げが目標に達するまでの間に必要とされる資金を賄える金額を準備する必要があります。しかし、目標は目標であって必ず達成するとも限りません。多少の余裕資金も準備できればそれに越したことはありません。
許認可が関係する場合は当然これらも受ける必要があります。
建設業であれば建設業の許可や産業廃棄物関係の許認可、飲食店であれば飲食業の許認可、それぞれの許認可は必要とする資料も異なってきますので、これらは役所へ出向いて話を聞く方がいいと思います。
最近はインターネットでそれぞれの役所で必要な資料をアップしていますので、まずは検索をして必要な資料をネット上で探してみるのがいいでしょう。手間暇を惜しまなければ、自分でも一通りできると思います。
それに付随して、先達者がいろいろな情報を提供していますので、それらも参考にすることもいいでしょう。
事業を行っているとまずその際に作成した、あるいは受け取った領収書、請求書、契約書などはおそらくそのままバラバラになっていると思います。大切なのはとりあえず保管しておくことです。断捨離で捨てることがいいこともありますが、それは会計、税務の世界では禁物です。断捨離は事業が軌道に乗ってから行いましょう。
領収書、通帳等の資料は整理せずに(できれば整理して)一つの箱に入れておくことをお勧めします。そのままお持ちいただければこちらで整理します。
資料はできるだけ捨てないでください。
個人で事業を始めた場合には、3月に確定申告を行う必要があります。
法人で事業を始めた場合には、決算期が到来したら一定期間までに申告を行う必要があります。
たまに見かけるのは、そのまま放置する、というものです。
申告をしないとどこがどういう文句を言ってくるのかというと、やはり税務署です。皆さんが一番気にするのも税務署です。税務署がなければ誰も申告なんてしない状況になりかねません。そうするとどうなるか・・・。
最終的に困るのは国民、ということになります。税務署を仮に悪と考えるのならば必要悪ということになるのでしょう。
1年から2年くらいは税務署に何も言われず時間が過ぎる可能性もあります。税務署も何も行っていない訳ではないので、そのうちとっかかりを見つけることになります。どういうところから情報を集めるのかというと、それはいろいろです。事業を行っていることを誰かが知っていればそこから情報が出てくることになります。これは考えてみれば当然ですね。商売をしている以上、お客は当然その存在を知っているわけですから、まずはそこから何かの形で情報が出てくることになります。もしかしたらそのお客が税務職員、ということも当然ありますよね。これは確率の問題で、もしかしたら10年何も言ってこなかった、ということもあるかもしれませんが、その間びくびくすることになるので、法律に基づいて申告をする方が事業に専念できます。もし気付かれなかったらそれはそれです。
これは当然事業を始めたらすぐに行うべきです。
事業を始めたら個人事業者ならば事業開始届を、法人ならば設立届を必要な所へ出す必要があります。
他にも一定期間内に提出しないと優遇が受けられない届け出書もあります。皆さんが知っている青色の届出、給与関係の届出、その他必要に応じて出すものもあります。
届出は、当然、役所に事業を始めますよ〜、と認識してもらうものです。認識してもらいたくない場合であっても、トータルで見れば必ず得をしますので必ず出してください。税金を払うのが嫌だ、という場合でも、申告していない場合と申告している場合とでは、全体で見ると申告を真面目に行っている方が必ず得をします。申告していなくても得をしている人はいますが、これは脱税行為で、場合によっては手錠でつながれることになります。なぜトータルで得なのかといいますと、真面目に申告していないと、追加の加算税や延滞税がかかってくるからです。
税理士がこういうことをいうのは、税理士は法律により国に代わって税務代理の仕事を行うようになっているからで、国の手先だ、ということを書いている本を見かけます。それはそれで一理あるとしても、では税理士を置かないで国に全部手続きを行ってもらうのかというとそんなことをするととんでもないことになります。
まず役人を大量に増やす必要がありますので、税金が増えることになります。小さな政府の逆を行くことになります。役人に税金の計算を行ってもらうと、必ず大目に計算することになります。これは考えればすぐにわかることです。そうならないためにも、国の機関ではない税理士に計算を行ってもらうことの方が申告する側の得になるような計算をすることは明らかです。
一番いいのが自分で申告をすることです。これは国もそうして欲しいと考える申告納税制度です。では自分で申告までできるのか、というとそれは可能ですが、時間がかかります。自分の事業に専念した方が得ではないでしょうか? これは経営者の考え方次第です。
仕事を始めるので500万円の中古車両を買ったとします。
ベンツでもユンボでも何でもかまいません。 耐用年数を5年とします。
個人事業主の場合は定額法により減価償却費を計算しますので毎年
100万円の減価償却費を5年間計上できます。
法人の場合は定率法で計算しますので1年目250万円、2年目125万円、3年目約62万円、4年目約31万円、5年目約31万円です。
減価償却費を計上する前の利益が50万円としますと、減価償却を加味して所得を計算すると、1年目の最終利益は個人事業主の場合は
50万円−100万円=△50万円となります。同様に法人の場合は
50万円−250=△200万円となります。
ここで問題なのが個人事業主△50万円と法人△200万円です。
赤字ですからこれ以上差し引く利益がありません。繰り越せるのでは? と思われた方は正解です・・・が、事業を始めて半年や1年経っているという方に多いのですが、青色申告ではないということがよくあります。
赤字を繰り越して翌年以降の黒字と相殺するためには届け出が必要です。
事業のためにお金を使ったんだけど費用に計上できない、というのは最悪ですので注意が必要です。
個人事業主は特に、減価償却費の計上は強制されていますので、この届け出だけは忘れないようにしてください。
会社を設立したが税務署への書対を提出していない、書類の提出期限が過ぎているがどうしたらいいのかわからない、という方はご一報ください。
そのストレスを解消いたします。
「何度か申告せずにここまで来てしまったが、そろそろ目を付けられる頃かもしれない」
「税務署に行くと、怒られそうな気がするので税務署には聞けない」
「過去の書類で捨ててしまったりしてないものがあり、決算自体できないのではないか」
「銀行に行くと、過去の申告書が必要と言われたが、そもそも申告すらしていない」
「申告せずに脱税していたから起訴された、と新聞に記事が載っていていたがいつばれるか
不安だ」
というお話も聞きます。
目の前のことが一番で、過去のことなど後回し、という方もいます。
それが良い悪いは別として、人間ですのでそういうこともあり得ます。
気になり始めたら本業にも影響が出てくるので早く不安を解消したい、という思いを大切にしてください。
そんなお悩みを全て解決いたします。
まずは「無料」でご相談ください。
ご相談は「お問い合わせ・ご相談」からお入りください。
車を買いたいが仕事でも仕事以外でも使う予定だ、その車の維持に係るガソリン代、車検代、修理代、自動車税等々の費用はどうすればいいのか。
友人、知人、取引先、社員等々の飲食代はどこまで経費に落とすことができるのか?
自宅兼仕事場に関してかかる費用はどうすればいいのか?
海外への渡航費用が発生するが事業の経費になるのか?
等々、一つ一つ検討していくときりがありません。また経営者があまりこれらのものに頭を悩ませることは得策とはいえません。経営者は自分の仕事を第一に考えるべきで、それ以外のことは人にまかせるということが事業が大きくなればなるほど必要になってきます。
また、自分ではこう思うがどうなのだろうか?? といった考えも当然生じます。経営者仲間で解決できればいいのですが、疑問が生じたからちょっと電話してみよう、では相手の事を考えているとはいえません。
どこからどこまでが経費なのか、どうすれば経費になるのか ・ ・ ・ 。
これらはある程度答えは出そろっているけれども、程度問題ということもあります。
状況に応じて事前に又は事後的に対応する必要があります。
サラリーマンのみなさんの所得にかかる税金を大きく分けると国の税金と地方の税金とに分けられます。
このうち国の税金はその年の分をその年のうちに計算して給与から天引きし、その年のうちに納付する方法で納付しています。
しかし、地方の税金は、前年の所得を基に計算された税金を、今年の給料から天引きして納付する方法をとっています。所得(収入)の発生次期と税金を納付する時期が一年ずれることになります。
サラリーマンを辞めた方が注意を要するのは、後者の地方の税金です。サラリーマンをしていると給与明細という形で明細を受け取りますが、天引きされている各明細はそのうち見なくなります。地方の税金の計算明細も6月頃に会社から貰っているはずなのですが、これが何を意味するのかを正確に認識している方は多くないと思います。
今までの蓄えや退職金を元手に事業を始め、軌道に乗るか乗らないかの翌年5月頃になると、計算書とともに地方の税金の納付書が送られてきます。分割払いですが、さあ納付してくれ、と期限付きで送られてきます。
この地方の税金、健康保険を切り替えた時などに市役所の市民税課などに行き試算をしてもらうことと、いつ納付しなければならないのかをきちんと聞いておくことをお勧めします。
それからもう一つ、個人で事業を始め、国民健康保険に切り替えた方は国民健康保険税の通知というものが市役所から送られてきます。健康保険証をもらうために必要な保険料です。こちらも忘れずに納付の準備をしてください。
事業が順調にいっていればいいのですが、そうではない場合、つらいものがあると思います。
事業を続ける際にはいずれ法人を設立することが間違いなくメリットが大です。
それはわかっているけれども、立ち上げ当初はどうなるかわからない事業の税金コスト等をいかに節約するかということが個人事業主か法人設立かを考えさせる一つの要因であることは間違いありません。
しかし、取引先の要請から会社でないと・・・という場合には考える余地はないでしょう。
そうでない方のためにいろいろ書いてみたいと思います。
会社の種類としては、
の4つがあります。
個人との違いとしては、端的な例として会社の債務に対してどれだけの責任を負うのかという
ところです。
その前になぜ会社なのかというと、取引のシンプル化の為です。お金の出し手が5人いると
すると取引の相手はその5人と契約をする必要がありますが、会社という人格を法律で作り
出すことで会社と契約をすればいい、ということができます。契約書にサインする時、株主名
でサインしませんよね。会社の印鑑をポンポンと押せばいい訳です。ただ会社は抽象的な存在
ともいえますので、自分の手足はありません。そこで役員というものが会社の手足・頭脳となり
動くのです。
ともあれ、株式会社と合同会社の出資者は全員有限責任、合名会社の出資者は全員無限責任
合資会社の出資者は無限責任と有限責任の両方がいる、ということになります。
また株式会社と合同会社とでは、後者の方が前者よりも作る際に簡便で費用が少なくて済む、
という違いがあります。
会社の種類を見ましたが、現実的には株式会社又は合同会社でしょう。
株式会社の設立費用は役所へ支払うものが
登録免許税15万円+公証人手数料5万円=20万円
(電子認証の場合 紙で定款を作成する場合には印紙代+4万円)
合同会社の設立費用は
登録免許税6万円
(電子定款の場合 紙で定款を作成する場合には印紙代+4万円)
電子定款と書きましたが、要はデータ定款に電子印を押すことにより電子定款ができます。
この設備投資でフリーソフトはよくわかりませんが真っ当なソフトだと数万円かかると思われますので、結局は紙で作成するのと変わらなくなります。
また、司法書士等の専門家に依頼すると専門家手数料、謄本等の取得費がかかりますので一般的には株式会社は合計30万円位、合同会社は合計15万円位です。その他に、印鑑等もそろえる必要がありますので、プラス5万円くらい見ておいたほうがいいと思います。
会社を自力で作る労力と手間はかなりのものですので割に合うかどうかはその人次第ということになります。どっちがいい?と聞かれると私は司法書士等に頼んだほうがいい、と答えています。
株式会社か合同会社か会社法での違いはありますが、会計・税務面での違いはありませんので、仕事の内容から考えてペーパーカンパニーでいいのであれば合同会社でいいと思われますし、建設業・不動産業等であれば許認可が関係してきますし、元請に会社名を言ったりすると何それ?という反応になることも考えられます。従って、対外的に名前を出すのであればケチらずに株式会社にすることをやはりお勧めします。
などなどがあります。
などなどがあります。
事業を始めるにあたってよく質問を受けるのが、個人と法人とではどちらがいいのか、という話。
個人では所得税、復興特別所得税、住民税、国民健康保険税、国民年金、個人事業税、償却資産税、雇用保険、労災保険等が関係してきます。
法人では、法人税、復興特別法人税、法人住民税、健康保険、厚生年金保険、法人事業税、償却資産税、雇用保険、労災保険等が関係してきます。
これらすべてを検討しなければならないかというと、検討すべきのは法人税か所得税か、個人住民税か個人住民税と法人住民税か、国民健康保険と国民年金か健康保険と厚生年金保険か、個人事業税か法人事業税かでしょう。
法人を設立するメリットとしては、
事業主は確定申告による所得税から給与所得者としての所得税へ変わり年末調整等の対象になります。これにより通常所得税は軽減されることになります。
家族への給与を払うことが比較的行いやすくなります。
生命保険を切り替えることにより、法人の費用に計上できる部分が生じることで税の軽減を受けることが可能となります。個人の生命保険料控除より効果は大きいでしょう。
将来退職金を払うことができ、その点において大きな税の負担軽減効果があります。
取引先への信用が増大する効果があります。法人とは取引しない、ということは考えにくいからです。個人とは取引しないという話はよく耳にします。
社会保険加入による人材の確保が行いやすくなります。
経営者としての意識の転換を促すことにつながります。
法人を設立するデメリットとしては、申告書類の作成が複雑になります。
交際費の限度枠が出てきます。
通常は、通称・協会けんぽ、厚生年金保険の負担が国民健康保険、国民年金よりも増えることになります。
税務調査により役員(事業主)報酬だとされた場合、法人税と所得税のダブル課税になります。
細かいところまで挙げてみれば他にもありますが、上記を考えればいいのではないでしょうか?
しかし、あまりこれらにこだわるよりも、事業を真剣に取り組んだ方がいいと思います。これらのシュミレーションは税理士にまかせてしまうのが得策だと思います。
法人を設立すると協会健保に加入することになります。
これは会社の住所地を管轄している年金事務所に届け出ることで、健康保険と
厚生年金に加入するものです。厚生年金は、1階建部分の国民年金と2階建部分の
厚生年金に加入することになります。
よって個人で国民年金を年間18万円近く払ってきた人は国民年金、という形での
納付はなくなります。
実はこれにも有利・不利の判断を行う場面があります。税金の事がまず前面に出がち
ですが、この社会保険も無視できないものです。
個人事業主は、国民年金と原則国民健康保険です。しかし、5人以上の人を雇う際
には協会健保に加入しなければいけならなくなります。
では、それぞれどのような保険料になるのか。
売上1千万円で所得が480万円とします。法人の場合、これをすべて役員報酬で受け
取るとします。月額報酬が40万円×12か月です。
個人事業主の場合、健康保険約48万円+国民年金約18万円=約66万円となります。
役員報酬の場合、健康保険約49万円+厚生年金約84万円=約133万円となります。
役員報酬の場合はこれを会社と役員とで折半して納付することになります。会社の社会
保険料負担約66万円、役員報酬からの天引き約66万円となります。
社会保険の差は歴然としています。
もし所得がゼロあるいはマイナス、役員報酬もゼロと仮定するならばどうなるか、
個人事業主の場合、健康保険約6万円+国民年金約18万円=約24万円
役員報酬の場合、健康保険約7万円+厚生年金約20万円=27万円
となります。役員報酬の場合はこれを会社と役員とで折半します。結果として、協会健保の方がどちらにしても高くなります。
税金だけでなく、気を付けなければならないのは社会保険です。
上記のようなシュミレーションを行うには、いろいろな条件設定や例外的な取扱いがあります。
必ず上記のような条件になるとは限りませんので、実際のところどうなのかは、ご自身で試算してみるか、税理士等に試算してもらうことをお勧めします。
忘れないでいただきたいのは、繰り返しになりますが、税金でけでなく社会保険も頭の中に入れておいていただきたい、ということです。
上記で、個人事業主が法人役員よりも社会保険は有利、のような話を書きました。
個人事業か法人設立のどちらが当初は有利か、という視点からいろいろお伝えしていますが、規模がそれなりに出てきて事業を継続して行うためには当然法人がいいと思われます。
順調に行きだすとほとんどの方が会社を設立することからもそうですし、事業を手広く行っている際は必ず法人が出てきます。
個人か法人か、というのは事業が順調にいくまでの過渡期的な選択という程度に考えていただければいいと思います。
事業が回りだせば、社会保険がいくらだ、というようなことはあまり気にならなくなります。
これらのことにあまりにこだわるよりも、事業のことに時間を使われることをお勧めします。
小規模企業共済という制度があります。
個人事業主も含め、中小企業の事業主の方には退職金の制度というものが不完全です。
特に個人事業主はそもそも退職金というものが制度として存在しません。
また、会社の場合でもお金がないと退職金を支払うことはできません。
そこで少しでも小規模事業者の福祉を増進するために、法律により所得控除の対象とすることが可能な積立制度ができました。預金を経費にできる、ということです。
これは月額7万円、年額84万円を限度に所得控除を受けることができます。確定申告書をよく見てみると、その控除欄があります。サラリーマンには全く関係ないので、そんなのあるの? というのが正直な印象ではないでしょうか? また、積立ての増額は簡単にできますが、減額は少々面倒となっています。
この共済は所得税と住民税の控除対象ですが、健康保険の控除の対象ではありません。
積立てた共済はいつでも受け取ることができますが、この点で注意が必要です。
一定の共済事由、代表的なものとして事業の廃止ですが、の場合は退職金の扱いが可能で、減税効果大です。しかし任意の解約の場合は元本割れすることもありますので気を付けてください。
個人事業主は毎月、あるいは年払い可能な金額を積み立てることで実質的な経費を増やすことができます。法人の役員の方であれば、控除対象額分だけ報酬を増やすことにより、役員報酬という形で経費を増やすことができます。
一度検討されてみてはいかがでしょうか?
小規模企業共済制度が事業主の退職金制度とすると、中小企業退職金共済制度はその従業員の退職金制度ということができます。
中小企業の従業員が退職する際には退職金が支払われますが、会社の業績が思わしくない、退職の時期に資金繰りが悪かった、などの際、退職金規定がきちんと機能していないと事業主の考え方一つで退職金そのものが支払われなかったり、減額されたりすることもあります。そういうことにならないためにも毎月積み立てておくことができ、積み立てた時に全額費用に計上することができるこの制度は意義があります。事業主の信用度もあがることになります。
以前は、この制度を悪用して、事業主が従業員に通帳を提出させこの制度を利用し費用に計上し、従業員が退職した際に事業主が積み立てたお金を受領していた、などということも見かけることがありましたが、最近ではあまり見かけなくなりました。
それはともかく、給料を積み立てておくという方法でも使えますのでいい制度ではないかと思います。
退職金は給料の後払い、という性格のものでもありますので。
掛金は2千円から選択でき、負担に感じる金額ではないのではなかと思います。
他にも、退職金をいくらにしようか、考える際にもこの制度の給付水準を基準にして計算する、という
別の使い方もできます。
会社の信用度アップにもつながります。ご検討してみてはいかがでしょうか?
中小企業倒産防止共済制度という制度があります。
これは取引先が倒産した場合に掛け金額の10倍までの貸付けを受けることができ、また取引先の倒産がなくても解約返戻金の範囲で通常の貸付を受けることができる、というものです。
掛金は5千円〜20万円(月額)の範囲で選択可能で、全額費用に計上できます。
解約したい場合も任意の解約で掛金の最低80%を受け取ることができ40か月以上加入していれば100%の解約金を受け取ることができます。
この制度も国が全額出資している中小企業基盤整備機構が運営しており、安心できる制度ではないかと思います。
興味のある方は資料を取り寄せてみてくださいね。
Q&Aなどの詳しい内容は東京都産業労働局のホームページに載っています。
問い合わせの窓口でも例外的な詳細は分からないこともあるようです。
例えば、店舗は閉めているが定期的に他の場所で露店を行っていてそこで営業しているような場合では、支給対象にならない可能性もあるようですし、なる可能性もあるようです。このあたりは常識的に事業者側で判断していく必要があります。人を集めないための対策であることを念頭に行動する必要があります。
非課税になると思われます。
税理士を探そうとすると、いろんなサイトが出てきます。
この税理士はすごい! といううたい文句のサイトも中にはあります。
「税理士」と入れるだけで、若い税理士、格安税理士などなど様々です。
税理士に限らないと思いますが、その手のサイトはある会社が運営していて、税理士から手数料を受け取って税理士を顔写真付き等で掲載する仕組みになっています。
私もそれらのサイトに掲載を依頼したことがありましたが、今では行っていません。
なぜかと言いますと、税理士を探している人は実際に利用することもあるとは思いますが、一番多くそれらのサイトを利用している人は同じような広告業者ではないかという気がしてきたからです。
掲載が開始されたとたんに、営業の電話が多くなったからです。
例えば相続に強い税理士、というサイトに登録したすると、相続の案件を紹介する業者からの営業の電話が多くなったのです。そこで、どこで私が相続が強い、などということを知ったのか尋ねると正直に、〇〇のサイトにのっていたから、と話をしてくれました。そういうことか、と思い掲載は止めることにしました。
税理士を探す際には、そのようなサイトを利用することはいけないとは言いませんが、仕組みを知った上での利用するのがいいのではと思います。
サラリーマンで副業をされている方は、原則確定申告をしなければなりません。
事業所得を得ている方で赤字の場合は、所得税の還付を受けることができますが、その場合は気をつけてください。それは所得税法上の事業に該当するか否か、細心の注意を払わなければなりません。
事業所得が黒字の場合は、サラリーマン給料と副業での収入等を計算し、サラリーマン給料で天引きされている源泉所得税を超える額を納付しなければなりません。
また、副業をしている場合は法人化も考えましょう。
個人事業(副業)のままでいいのか、法人化したほうがいいのか、ご一緒に考えさせていただきます。
個人事業主で顧問税理士がいない方は届け出をきちんと行っているでしょうか?
税務上の書類を税務署へきちんと届け出ていて税務上の恩恵をすべて受けている、という方は少数派ではないかと思います。
特別なものを除けば
を提出していれば良いと思います。
あとは経理をきちんと行い、確定申告を済ませれば問題ありません。
それから、消費税にも気をつけてください。消費税の納税義務者に該当するのであれば原則課税にするのか簡易課税にするのか一定の規模までであれば選択可能です。簡易課税を選択するのであれば消費税簡易課税制度選択届出書を提出する必要があります。この場合、どちらが納税額が少ないかをシュミレーションする必要があります。
事業を始めると、できるだけ税金は払わないようにいろいろと考えるようになります。
お気持はよくわかります。
では税金が最も少なくなる決算は?
赤字決算です。
赤字にするか黒字にするかは、正直なところある程度調整できます。
一例として、次年度の収支予測で見て役員報酬を多めに計上することはその一つです。
しかし、これはいい方法なのでしょうか?
会社の規模などにより一概には言えない部分がありますが、時と場合によっては選択肢の一つです。
しかしこの赤字申告、赤字という意味をよく考えていただく事が必要です。
赤字ということは、入ってきたお金よりも出ていくお金が多い、ということです。
つまり赤字は資金が不足している状態、ということが言えます。
こんな場合、社長が個人のお金を会社に入れるか、銀行から調達してくるかどうにかする必要があります。
小企業の場合、社長がお金を会社に入れる意識がなくても、自然とそうなってしまっている場合が多くあります。
よく聞かれるのが、どうしてお金がたまらないのか? ということですが、これは一つの答えとして、赤字にするからです。
このあたりよく考えてみてください。
当然の帰結なのです。
経営者が気にすること、あるいは気にしなければならない大きなことは、お金を残すことです。そのため、黒字にして税金を払いたくない、少しだけ赤字にしたいという方もいます。
しかし、これは間違った考え方の一つです。また、赤字になるように役員報酬を上げる、という方もいますが、これも方法としては正しいとは言えません。
お金を残すために見なければならないのは、黒字になった際の法人税等だけではありません。役員報酬等を増やした際の、所得税、住民税、社会保険も見なければ、どれだけ公的なものへの支出が増えるのか見えてきません。
法人税等の税率は年々低くなっており、社会保険の増加の方が通常大きいと思います。
中小企業の場合は特に注意が必要です。