小規模宅地の特例の改正点

 既に改正された法律が適用されてはいますが、念のために・・・

小規模宅地の特例(土地の評価のディスカウント)を受ける際にはいくかの

注意しなければならない点があります。

・1階と2階で行き来できなくともよいが、区分登記されている建物は亡くな

 った方の所有部分のみが特例の計算対象となる。

・区分所有されていない建物の場合、被相続人が居住していた部分を相続が開始

 してから親族以外に貸し付けても大丈夫

などです。

相続税がとても少なくなる分適用例が多く、それだけ税務署との争いも多い特例

です。

適用の際には細心の注意をしましょう。

贈与税が関係するのは・・・

贈与税はご存知のように、金銭的価値があるものをもらった人に対して課税が

行われます。あげた人に対して課税が行われる、という方法もありますが日本では

この方法はとられていません。

金銭的価値があるものをもらう場合には、会社からもらうということもあります。

給料が典型的なものですがこの場合には所得税が課税されます。こんなことがある

のかどうかわかりませんが、何の理由もなく会社からもらうと一時所得として所得税

が課税されます。またあげた会社は時価で金銭的価値があるものをあげた、という

ことでちょっとわかりにくいですが寄付金課税などが行われます。

またもらった側が会社だと、会社は法人税、あげた側は譲渡所得税が課税されること

があります。よって贈与税がかかるのは人から人へ金銭的価値が渡された場合、

ということになります。親から子へ遊ぶお金をあげたという場合が典型的な例になります。

親から子へお金をあげる場合には例えば住宅取得資金の贈与の特例などがありますので、

制度を知ったうえで贈与するようにしましょう。

教育資金の一括贈与

 直系尊属が金銭等を拠出し、金融機関に信託した場合に、その中から1,500万円

(一部500万円)までの金額は学校等に支払われた場合には非課税とする制度です。

申告書を金融機関を経由し、資金を受け取る直系卑属の住む税務署長に提出する。

資金を受け取った直系卑属は、学校等の領収書を金融機関に提出する。

資金を受け取った直系卑属が30歳になったら、残りの資金については贈与税を課税する。

これらは平成25年4月1日から平成27年12月31日までに金融機関に拠出されたものに

適用される。

 

 

相続関係辞典

遺産分割

延納

延滞税

課税価格(相続税)

基礎控除

教育資金の一括贈与

国等に対する相続財産の贈与

国外財産の相続税額控除

更生の請求

債務控除

障害者控除

申告書

修正申告書

準確定申告

小規模宅地等の特例

税額控除

相次相続控除

相続

相続開始三年以内の贈与(相続財産の持ち戻し)

相続人(→被相続人)

相続税

相続税額の加算

相続税の総額

相続税の各人額

相続財産

相続時精算課税

相続税の課税財産

特別の法人から受ける利益

納税義務者

農地等に係る相続税

納付

配偶者控除

非課税財産

被相続人

物納

未成年者控除

みなし相続財産

未分割財産に対する課税

利子税

連帯納付の義務

 

 

昔の相続税

相続税の始まりは、日露戦争の戦費調達でした。

当時の相続税は、家督相続と遺産相続に分けて課税しており、家督相続の方が財産だけの相続である遺産相続より義務が多大であることに配慮し、税率は家督相続<遺産相続となっていました。

現在の相続税は納税義務者が申告する申告納税制度がとられていますが、家督相続が行われていた当時は、隠居関係の書類を裁判所や戸籍吏に提出し戸籍吏が収税官庁に報告し、相続税の徴収手続きを行う賦課課税のような方法がとられていました。

その後、税率の改正、特別控除制度、免税点などの改正がなされ昭和22年に憲法、民法の全文改正とともに相続税法も全文改正が行われ、その後種々の改正がなされ現在に至っています。

 

ペットのお墓

ペットのお墓は相続税法上の非課税財産になるのでしょうか?

つまるところ、ペットのお墓が「墓所、霊びょう」に該当すればいいわけです。

相続税法上の「墓所、霊びょう」は民法上の「墳墓」のことですので、民法上の墳墓に該当すればペットのお墓も相続税法にて非課税となります。

どう思われますか? 考えてみてください。

庭内神し〜ていないしんし〜

相続税法第十二条第二項

「墓所、霊びょう及び祭具並びにこれらに準ずるもの」は相続税の計算上、財産とはされません(非課税財産)。

相続税法基本通達第12−1

@〜「墓所、霊びょう」とは〜土地〜を含むものとして〜

相続税法基本通達第12−2

A〜「これらに準ずるもの」とは、庭内神し〜

@では土地が記載されていますが、Aでは土地の記載がありません。

ここから庭内神しがある土地の部分は、相続税のかかる財産(課税財産)であるとの取扱いがなされてきました。

税法(法律)というのは本当にやっかいですね ・ ・ ・ 。 書かれた言葉(文字)を読んで解釈することが原則なので、書かれていなければそれ(土地)は含まないという判断になるのです。

しかし一般的に考えて墓所・霊びょうの土地は非課税財産で、庭内神しの土地は課税財産とするのは理由がわかりません。

これにつき、地裁判決で納税者勝訴が言い渡され、珍しく地裁で確定しました。ということは、国税側が理由付けが難しいということで最高裁まで行かずにずにあきらめたということです。

こういう内容の通達等はたまにみかけるのですが、調査の際に調査官は苦しい言い訳を行うことになります。裁判で国税があきらめたということについて‘潔し‘と考えます。

 

相続を争族にしないために 遺言

相続税と聞いて、多くの方はうちはどうなんだろう? (わからない)と考える

と思われます。

相続税の申告が必要な方は死亡者の4%です。基本的に関係ないと考えて

良いと思います。

これは基礎控除(税金がかからない枠)が高めに設定されているためです。

しかし、相続税の申告が必要ないからといって、何もしないというのは大変な

誤りです。

亡くなられたご両親の財産が自宅とその土地、わずかな預貯金で、これを

子供3人で分けるとします。長男は独立して他の場所に住んでいるけれども、

戸建てに住みたいので両親の土地と家を多少ともあてにしていた、次男も

同様、三男は今まで一緒に住んでおり他に住むあても資金もないという状況

で、これらにそれぞれ妻と子供がいるとしたらどうでしょうか?

相続税は関係ありませんが、相続は必ず関係してきます。とりあえず共有に

しておくというのは問題の先送りにしかなりません。

もし、似たような状況が少しでもあるのであれば、ご両親が健在のうちにどの

ようにするのか、あるいはご両親にきちんと遺言を書いておいてもらうように

話をする、あるいはご両親は遺言をきちんと書いておくことを是非お勧めします。

骨肉の争いにならないように今、どうにかなるうちに手を打っておくべきだと

思います。

遺言の方式

遺言の種類は民法で決められています。

@自筆証書遺言

A公正証書遺言

B秘密証書遺言

です。その他にも、死亡の危急に迫った者の遺言等の規定ありますが、

通常とはことなるので省きます。

@は自分で全文をを書いて日付及び氏名を自書し押印する方法です。

この遺言書は見つけたら、開封する前に裁判所にて検認を受ける必要

があります。これを怠ると過料に処せられます。

この遺言の保管は、信頼できる人に託すか、Bの方法にて公証人に託す

のがいいと思われます。

Aは公証人役場にて遺言書を作成する方法です。

一番確実な方法ですが、証人が二人以上必要なので内容が他人に知ら

れる可能性が高まります。通常証人は知っている人に依頼するからです。

弁護士等に依頼するといいと思われます。ただ費用がかかります。

費用をかけてでも弁護士等に遺言執行者も受けてもらうのが確実です。

Bは遺言書に封印をして公証人や証人の前に封書を提出し、自分の遺言で

ある旨、氏名住所を申し述べる方法です。

遺言の内容が誰にも知られない方法です。

後の争いを避けるためには、Aが一番いい方法だと思われます。

相続税が関係ない方の相続

父・母・兄・弟の4人の家族、財産は土地・建物3,000万円と現金1,000万円と仮定します。

争わないための相続はどうしたらいいのか?

相続税は全くかかりませんので、家族のだれもが安心しているのではないでしょうか?

実はこういう場合は財産がある家庭よりも争いやすいのです。

相続税がかかるだけの財産があるとどうしても税金のことが心配で、死後の財産の

行方にも心を使います。

しかし、上記の例で父が死亡してしまうと土地建物に住んでいる人はそのまま住み続け

たいと思うでしょうし、既に家を出ている人はお金でもいいと考えるでしょう。

そこで父が、母(妻)あてに全ての財産を譲る遺言を書いていたらどうでしょうか。

母(妻)が全ての財産を必ずもらえるわけではありませんので、子供が欲しいといえば

遺留分は渡さなければなりません。

上記の場合、遺留分は子供2人はそれぞれ500万円となります。現金がほしいと思う子供

には現金を渡すことができます。

上記の例から考えられるのは、土地建物が財産の大部分であるならば、遺留分を払える

だけの現金を生前から作っておくことです。

遺言を書くことと、遺留分だけでも現金を残すことを考えて財産構成を行うと、争う可能性も

グッと低くなります。

 

相続税の今後

現在の相続税の基礎控除額は 5,000万円+1,000万円×法定相続人の数 です。

配偶者と子供2人が相続人であれば5,000万円+1,000円×3=8,000万円

が基礎控除額です。

平成23年税制改正大綱で上記基礎控除額の改正が予定されていました。大綱には

3,000万円+600万円×法定相続人の数 を基礎控除額に改正するとされていました。

しかし、この改正法案は平成23年8月31日現在継続審査ということになっています。

改正法案が成立していません。

相続税関係の改正は他にも予定されていますが、財務省の責任者は、これらの改正に

並々ならぬ意欲を持って事にあたっていることを話していました。

現在の国家財政の状況を考えると、改正も時間の問題だと思われます。

一物四価

不動産の譲渡や相続を行う際に、関係する不動産価格には四つ知られています。

@実勢価格(時価)

A公示価格・基準地価格

B路線価(相続税評価額)

C固定資産税評価額

です。

@はまさしく取引価格のことで、不動産の鑑定評価でいう「取引事例価格」です。

取引当事者、不動産業者しか基本的に知ることがない価格です。

Aは国土交通省が公表しているものです。不動産鑑定士が委託されて調査、国が公表

しています。銀座の一等地の公示価格は ・ ・ ・ と新聞等で報道もされています。

Bは国税局が公表しているものです。相続税、贈与税の課税標準の基礎です。

Cは固定資産税を課税するために各市町村が算定しています。相続税の課税標準算定

にも部分的に使われています。

このように不動産にはいろいろな価格があります。

一物四価・・・補足

〇実勢価格

実際に取引が成立した価格。当事者の需給関係で決定。

実勢価格に含めるかは別として、不動産を購入した方には国土交通省

からお尋ねの封書が送られてきます。これに記入し提出すると、個人情

報を特定できない状態で国土交通省のHPに情報が公開されます。

〇公示価格

毎年1月1日を基準日として国土交通省の土地鑑定委員会が判定し3月

下旬に公表する価格。

標準地2万6千地点で不動産鑑定評価が行われる。

売買の目安とされる。

国土交通省のHPで公表される。

〇基準地価格

毎年7月1日を基準日とし、都道府県知事が判定、9月下旬に公表される。

基準地22,701地点について公表される。

売買の目安とされる。

国土交通省のHPで公表される。

〇路線価(相続税評価額)

毎年1月1日を価格時点とし7月初めに国税局単位で公表される。

路線価は公示価格の80%程度で評価されている。

相続税、贈与税の計算の基礎となる。

国税庁のHPで倍率表とともに公表されている。

〇固定資産税評価額

3年ごとの基準年度に市町村が評価替えを行っている。平成24年度は評価

替えの年にあたる。

前年の公示価格の70%程度で評価される。

固定資産税、都市計画税、不動産取得税、登録免許税の計算の基礎となる。

土地・建物は固定資産課税台帳に登録されている。閲覧・評価証明書は本人

代理人のみ可能。平成15年1月から縦覧制度がとり入れられており、近隣の

価額と比較できる。

 

以上、土地の価格に関してです。

公示価格、基準地価格は売買の目安とするため公表されていますが、売買の

際に必ずしもこれによらなければならないというものではありません。売る側、

買う側の個別の事情、状況が実際の取引には影響を与えるので、上記価格の

2倍の取引価格であっても当事者が合意すればそれはそれでいいのです。

相続税を申告していないと・・・!

相続税の申告を行っていない方が過去最高だったとの報道を見ました。

しかし、氷山の一角でしょう。

相続税の申告が必要な方は、自分で計算して申告を行う必要があります。

申告納税制度だからです。

税務署もいろんな資料の収集を行っていますが、申告の必要な方を100%

特定するのは無理な話です。

税金を納めるのは確かに複雑な気持ちになります。

また、相続税の申告が必要か否かを自分で調べるだけでも大変です。

今後は、基礎控除も減額され納税が必要な方は増えることになると思われます。

無申告の方は増加の一途をたどることが予想されます。

一度身の回りを見渡してみてはいかがでしょうか?

民法の相続財産と相続税法の相続財産

民法では、「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に

属した一切の権利義務を承継する。」と定めています。

相続税法では、「相続又は遺贈により取得した財産の全部に対し、

相続税を課する。」と定めています。

普通に読んで、違いがすぐにわかる方はそういないのではないで

しょうか?

顕著な例として、生命保険金と死亡退職金があります。

相続税では両方とも相続税の課税財産ですが、民法のことを考えて

特別に規定を置き「相続又は遺贈により取得したものとみなす」財産

としています。

これをよむと、両者は民法上での相続財産ではないのか?と気づくと

思います。

民法の学説ではいろいろあるようですが、最高裁判所の判決では

民法上の相続財産ではない、とされています。ただ、ケースバイケース

で判断が違ってくることもあるようです。

実際の遺産分割で法律として影響があるのは、民法上での相続財産で

はないので、受け取った人の「特別受益」とはされず、「遺留分」の算定の

際にも考慮されないということです。

ただ、実際の遺産分割協議で当事者間で話し合いを行った場合は両者も

含めての話になるとは思われますが ・ ・ ・ 。

注意していただきたいのは、ケースバイケースの部分もありますので、

実際に何らかの話し合いで主張する際にはよく勉強をして口に出してほし

いということです。

 税金の負担は当然のことながら、もらった人がすることになりますので

あまり問題はないでしょう。 

 

遺留分には注意が必要

 民法は法定相続分により相続分の原則を規定し、それ以外の相続の

方法として遺言による相続分の指定を認めています。

 さらに遺言による相続分の指定の例外の一つとして、遺留分を規定して

います。

 もし遺言により全財産を長男に相続させたとしても、一定の割合で妻、

次男、長女といった他の法定相続人にも相続分を持たせることになって

います。兄弟姉妹に遺留分はありません。

 しかし、遺留分があるからといって安心することはできません。遺留分を

取得するためには、遺留分(遺産)がほしいと自ら権利を主張しなければ

いけません。

主張できる期間も決められており、相族の開始及び減殺すべき贈与又は

遺贈があったことを知ったときから一年間、あるいは相続開始の時から

十年間を経過したときは遺留分の減殺請求権は消滅すると定められてい

ます。

権利の上に眠る者は保護されないのです。主張すべきことは主張しましょう。

経営者のための遺留分

会社経営者が次の世代へ経営を譲ろうとするとき問題となるのは、

会社の経営権をいかにして次の世代に手渡すかということです。

会社の経営権とは、株主権のことです。

長男に経営権を全て渡すとして、妻や他の子供に対してどう納得

させるのか。現金等のすぐにでも使える財産があればいいのです

が、土地建物、機械装置等が主な財産だということはよくあります。

生前の贈与、遺言により長男へ全財産を渡す等が考えられますが、

遺留分がありますので、相続開始後に必ずと言っていいほど財産

の話は出てくると思います。さらに厄介なのは、相続が開始した場

合に生前に贈与した財産、遺言で渡した財産の金額算定は、相続

が始まった時点での金額で行うということです。長男が頑張り株主

権の金額を上昇させても、何もしない他の相続人にも恩恵を与え

てしまうのです。

平成20年に法律ができ、遺留分の特例ができました。これは、株

主権の金額を生前に一定の金額にしましょうと決めることができる、

株主権自体を遺留分計算の際の金額から除くことができるというも

のです。前者を「固定合意」後者を「除外合意」と言います。

会社経営を頑張り、株主権の金額を上昇させた場合でも株主権に

ついて2つの合意を経ていれば経営権は確保できますのでひとまず

は安心です。

この特例は、2つの合意以外に付随合意といわれる合意をすること

ができます。これは、2つの合意は後継者にとってメリットがありま

すが、後継者でない推定相続人にメリットはありません。2つの合意

をする際には他の推定相続人にも例えば、金銭を支払う等の合意

をすることができるというものです。

面倒なのは、これら民法特例の合意をするためには事前に経済産

業大臣の確認をうけさらに家庭裁判所の許可申し立てを経なけれ

ばならないことです。

小規模宅地等の特例

 この制度は亡くなられた方からその親族が相続又は遺贈により財産を

取得した場合に、一定の要件のもとその相続税計算上の財産の評価を

80%又は50%減額できるというものです。小規模宅地「等」とは、例えば

借地権のことをさしています。

 財産を相続したが、相続税が支払えずそのまま親族が居住し続けられ

なかったり、事業を継続できなかったりすることがないようすることが制度

の趣旨の一つです。

その名のとおり小規模な宅地等が対象で、宅地の利用状況により

全てが事業用宅地なら400u以下について80%、

全てが居住用宅地なら240u以下について80%、

全てが貸付事業用宅地なら200u以下について50%

その他一定の場合に減額できます。

気をつけなければならないのは、相続税の申告期限までに相続人等の間で

遺産の分割が行われていなければならないことです。3年以内に分割すれば

適用が可能という例外はありますが、税務署への手続きを再度行わなければ

ならないなど手間もかかるので、早めに分割しておきたいものです。

 この場合も、生前に先々のことを考えてこの制度を勉強して、それを踏まえて

遺言等の対策を行っていればクリア可能な問題です。

相続税と贈与税

贈与税は相続税の補完税といわれます。それは相続が開始す

る前に財産を贈与していまえば相続税がかからないため、その

ような形での相続税逃れを防ぐために贈与税があるからです。

法律上も贈与税法という個別の法律はなく、相続税法の中に

規定を置いてます。さらに相続税と贈与税の財産の評価は全く

同じ方法により行われます。

相続とは

以前の相続は家督相続といわれ、戸主の地位を承継するもの

とされていました。

現在の相続は財産の承継に絞られ、法律上だれに財産を帰属

させるかが主な内容となっています。

この場合の財産は、土地・建物・現金預金のようなプラスの財

産のみならず、借入金等のマイナスの財産も含まれます。

相続の開始

相続税の話の前に、相続の始まりを認識しておく必要があります。

相続税は相続が始まってから後の事になりますし、相続税の言葉の

重要な部分は民法の規定からきているからです。相続の始まりは民

法に規定があります。

相続は死亡によって開始します。

また、生死不明の場合は利害関係者の求めに応じて家庭裁判所が

失踪の宣告を行えば死亡したものとみなされ、相続(税)でいう死亡

にあたることになります。

人の死亡により相続が開始し、原則その時点の財産に対して相続

税が課税されることになります。

 

 

相続人 -だれが相続するのか-

財産の相続は遺言があればそれにより相続が決定され、遺言

がなければ民法の規定に従って相続分を決定することになりま

す。遺言があっても兄弟姉妹以外の相続人には最低限相続可

能な遺留分が民法で決められています。遺言があっても、遺言

どおり相続分を決定する必要はなく、当事者の合意(主に遺言

により得をする人の了解になるでしょう)により相続分を決定す

ることもできます。

法定相続の場合相続人は死亡した人からみて、妻、子、親(直

系尊属)、兄弟姉妹及び兄弟姉妹の子が該当します。妻は常

に相続人であり、子がいれば妻(1/2)と子(1/2)が相続人、子

がいなければ妻(2/3)と親(直系尊属)(1/3)が相続人、親(直

系尊属)もいなければ妻(3/4)と兄弟姉妹(1/4)が相続人とな

ります。

子と兄弟姉妹が既に死亡している場合、その子が相続人となり

ます(代襲相続)。この場合、曾孫まであるいは甥・姪までがその

対象として民法に規定されています。

胎児は通常権利義務の主体とはなりませんが、財産の主がい

ないということがないように、胎児については生まれたものとみ

なされています。

相続人がいない場合、家庭裁判所は特別縁故者の請求により

財産を分与することができます。それでも財産が残った場合に

は、国庫に帰属することになります。

相続の放棄と相続税の基礎控除

民法では相続は放棄することができます。相続放棄の理由は財

産の集中等さまざまだと思われますが、放棄をした者は、初めか

ら相続人とならなかったものとみなされます。

それでは相続税ではどうなるのか?

相続税は相続財産が多ければ、また、相続人が少なければ税額

が多くなるよう定めてあり、累進税率を採用しています。したがって、

相続の放棄者が出ると相続税は多くなるはずです。そうなると何ら

かの理由で相続放棄をしたい相続人がいても、放棄することを他

の相続人から止められるということもでてくると考えられます。税金

のためにそのような状況になると税の中立性に反することになりま

す。

相続税では相続の放棄が行われても、放棄した相続人の数は基

礎控除を計算する際には放棄がなかったものとして数えることに

なっています。

養子と相続税

相続税を計算するときに相続財産から控除する基礎控除は

5,000千万円+1,000万円×相続人数、で計算します。

相続人とは通常実子ですが、実子ではなく養子の場合どうなる

のでしょうか?

養子を相続人に含めていいのか、いいとすれば人数は無制限

に含めていいのでしょうか?

「養子は、縁組の日から、養親の嫡出子の身分を取得」します

ので、相続人の数にも入れていいはずです。

以前は節税養子といわれる養子がいました。昭和63年以前は

2,000万円+400万円×相続人数が基礎控除額でした。

養子を4人作れば1,600万円控除額が増えることになります。

資産家のあいだでは、節税のための養子は珍しくなかったよう

です。ある例によれば一度に二十人以上も養子を迎えることも

あったようです。

そこで昭和63年税制改正により基礎控除額を4,000万円+

800万円×相続人数とする改正が行われました。併せて相続人

に加算できる養子の数を、実子がいれば1人、実子がいなけれ

ば二人までとなる改正も行われました。

バブル経済の際の地価高騰等によるこのような節税方法に歯

止めをかけたのです。養子を相続人の数に入れることが相続税

の負担を不当に減少させる結果となる場合には、税務署長の

認定により養子を相続人の数に入れないことにもなっています。

民法上の特別養子又は連れ子養子等は実子として扱われます。

相続税逃れのための養子とは考えにくいからです。

養子は特別養子縁組を除いて、養親が成年であり、尊属又は

年長者でなければ養子とすることができ、家庭裁判所の許可が

あれば後見人が被後見人を養子とすることができ、配偶者のあ

る者が養子縁組をする場合の要件を満たし、未成年者を養子と

するには原則家庭裁判所の許可を得ることにより養子縁組をす

ることができます。

民法の規定が前提となる相続税法では、民法の養子のありよ

うから税法が影響を受け、相続人に加算できる養子の数を税法

にて制限するような規定になっている、といえます。

さらに考えてみると、昔からの日本の養子が子のための養子と

いう以外にもいろいろな理由により存在してきたことが民法の

規定にもあらわれていると言えます。

生命保険の税務

生命保険において保険金が支払われました。どのような税金が

関係してくるのでしょうか?

死亡保険金の場合

契約者:夫、被保険者:夫、保険金受取人:妻 → 妻に相続税かかかる

契約者:夫、被保険者:妻、保険金受取人:夫 → 夫に所得税がかかる

契約者:夫、被保険者:妻、保険金受取人:子 → 子に贈与税がかかる

その他にも例はありますが、上記の結論の考え方をマスターすれば、相

続税、贈与税、所得税の関係をつかむ方法として有効です。

また、保険を契約する際に役に立ちます。

生命保険に加入する時は・・・

生命保険は大きな買い物です。目に見えない商品であるためその大きさは

なかなか認識できません。月額2万円の保険に加入した場合、年額24万円

10年間で240万円です。さらに保険は加入した後に口座振替で自動的に払

っていく場合が多いため、払っているという認識を失わせます。月額2万円

を今の財布から現金で払うとしたら、店に行く、ネットで調べる、人に聞く等、

損をしないかさまざまな方法でその内容を吟味すると思います。保険の怖い

ところは一度入ってしまうとそのあたりの痛みのようなものを忘れてしまうと

ころにあります。

しかし、保険は必要でもあります。保険の基本は相互扶助ですので、保険に

入っている人に何かがあった場合にはその人に保険金が支払われますが、

自分に何かあった場合には自分あるいは家族に保険金が支払われます。保

険金をもらえるとしても事故・病気など何もない方がいいのには間違いありま

せん。将来のことはわかりませんので何もないことを祈りつつ、もしもの時の

ために生活等の保障のために必要額を確保しておくことは必要なことです。

保険金を受け取った時に税金を払わなければならない場合に、その金額を

低く抑えるために保険金の税務は知っておいて損はありません。

保険料を払った時の保険料控除だけでなく、所得税、贈与税、相続税がどう

なるのかあるいは非課税なのか、保険に加入する時は保険を勧める人に確

認することを忘れないようにしましょう。

連年贈与で課税される?

巷で、連年贈与は一番初めに贈与を受けたときに、一括して贈与

されたものとされ、まとめて贈与税を請求される場合がある、など

という話がある。

これには、そんなことはない、と答えるしかありません。そういう法

律がないからです。

毎年110万円を息子にあげた場合、贈与税の基礎控除額の範囲

(暫定的な性格の租税特別措置ですが)なので贈与税はかかりま

せん。

ではなぜ連年贈与は課税される、などという話が流布されているの

か。

相続税法(贈与税はこの法律の中に「贈与税」として規定されてい

ます。)では、定期金は権利の評価をして課税する、となっています。

また、国税庁のQ&Aでもそのような解説があります。これは事前

に、一定期間お金をあげるという約束をして授受をしている場合に

適用されるものです。

毎年110万円ずつ渡しているから定期金と認定する、といって課税

するということはありません。渡した側ともらった側が〇年間にわた

って〇円ずつ金銭等を授受する約束をしていると口をそろえて証言

したり、書面で定期金授受の契約がはっきりしている場合は別です

が、このような無理な課税がされることは最近はありません。

子に美田を残さず

相続は、次の世代に何らかの有形無形のものを残すことです。

それが金銭価値を有するものか否かを問いません。

金銭価値を有するものを残す場合、できるだけ多く残すために他へ流出

するものの典型である税金を減らすために相続税対策というものがあり

ます。

もう一つ、忘れてはならない残さなければならないものは無形のものです。

教育であったり、教養であったり、様々です。

相続税が多くなるからその対策のために気を使うのは大変疲れます。

今の相続税の基礎控除は5千万円+1千万円×相続人数ですが、この

金額は通常生活していくものを残すには十分と考えられます。

そう考えるならば、あえて争いの種になる財産を多くのこす対策を考える

よりも税金を払ってでも残す財産を多くする努力はしない、というのも一つ

の考え方です。ただ、必要なものを誰にどう残すのかは考えなければいけ

ません。

子のことがかわいいのであればあえて「美田は残さず」というのもありなの

では、と相続関係の本を見ながら考えます。

税理士がこんなことを言ってはいけないのかもしれませんが ・ ・ ・ 。

遺産分割

 遺産分割とは、共有状態にある相続財産を共同相続人の間で分ける手続きをいいます。

 その中には相続税の課税対象になる財産やそうでない財産も含まれます。

基礎控除

遺産に係る基礎控除は、5千万円+1千万円×相続人の数、です。

養子も相続人の数に含まれます。亡くなられた方に実子があれば養子は一人しか認められませんが、実子がなければ二人まで相続人の数に入れることができます。特別養子縁組による養子、亡くなられた方の配偶者の連れ子を養子とした場合の養子なども相続人の数に含まれます。

相続の放棄があった場合でも相続人の数に含めるます。

8月10日社会保障と税の一体改革法案が参議院を通過しましたので、平成27年1月1日以後相続が開始する相続税の基礎控除は、3千万円+600万円×相続人の数、になります。